いろいろわかってきた
ピーター シンガー
この人が言いだしっぺ。もっと昔にはベンサムって言う哲学者も動物の権利を主張してたみたいだけど。シンガーの言い分はかなり説得力あると思う。この人はハードコアだからねえ。譲歩ナシ!って感じ。とにかく“痛み”を避けることがいちばん重要。人間の痛みも動物の痛みも同じだから同等に扱うべき。そして、痛みを感じない超障害者な人間は、殺してもいいんだよ。その人の死によって苦しむ人(肉親とか)がいなくて、その人の死によって他の人や動物の負担が減るなら。スパっとしててカッコイイ意見だよね。でも、もちろん、障害者の人達は激怒してるんだけど。でもシンガーはそんな激怒できるような程度の障害者のことを言ってるんじゃないんだよ。もう永久に回復不可能で何も感じられないような人とか、生まれて間も無いすごい障害のある赤ちゃんのことを言ってるんだよ。それも肉親が同意すれば、の話。つまり安楽死だよね。安楽死は別にいいよねえ。自分は責任取りたくないけどさあ。
トム リーガン
この人はシンガーと同じ動物の権利を主張してる人なんだけど、シンガーの理論には大反対なんだよ。仲間同士で対立してどうするって感じもするけど、結局は対立するのなんて仲間同士だけなんだよねーー。それは置いといて、リーガンは、“痛み”を権利の基準にするのは間違ってると思ってるんだ。植物人間とかにも権利はあるって思ってるからね。リーガンの主張する権利の基準は、“生きてる”ってことだけ。これならどんなに極悪非道な人でも頭悪い人でも何も感じない人でも権利が与えられるもんね。そんで、リーガンは、個人個人の幸せを優先するべきだ、って言ってる。シンガーは、できるだけ多くの人や動物が幸せになる方法が一番正しいって思ってて、その多くの生き物が幸せになるためには誰か1人を犠牲にしてもいいんだよ。でもリーガンは、それはいけないと思ってるんだよ。まぁ、リーガンの考えは理想だと思うよ。でもさー、現実的に考えて、無理じゃん。弱肉強食の自然をまるっきり変えないといけないじゃん。だからリーガンだって自分の行動は自分の理論にかなったものじゃないんだよ。リーガンから見れば生き物はすべて同じ価値があるんだよ。そんなこと言ってたらうちの猫のノミ退治もできないじゃん。ていうかどうすればノミと猫に平等の幸せを与えられんの? 猫はノミがいたら不幸せだしノミは猫にくっついてないと幸せじゃないし、どうにもならないよね。で、やっぱ、猫の幸せを選ぶじゃん、普通。猫の不愉快さのほうがノミの不愉快さよりも理解できるからだよ。すると、シンガーの“痛み”の考えに戻っちゃうんだよね。リーガン彼自身も、少なくとも哺乳類には権利を持たせるべき、とか言ってるんだよ。彼自身、シンガーと同じ“痛み”を感じるかどうか、っていう基準を使ってるじゃん。または、人間に近い動物、とか、人間に役に立つ動物、とか、そういう基準。リーガンはホント全然一貫性が無いって思う。リーガンは動物が“役に立つかどうか”っていう考えはけしからん、って言ってるんだけどさ、でも、なんで?なんでだめなの?リーガンは理由を全然提示してない気がする。動物がかわいそうだから、っていう理由で動物を助けるのは駄目だ、ってリーガンは思ってるんだよ!! 動物それ自身に価値があるからその権利を貴ぶべきだ、って言ってるの。でもさ、リーガンは動物がかわいそうだって思ってるだけじゃないのー?? それ以外に理由あるなら言ってみてよ、って感じ。なんで動物それ自身に価値があるの? 証拠も理由も無いじゃん。でもリーガンって超たたえられてるの。ネットで探してもぜーんぜんリーガンの哲学を批判するサイトは無いんだよね。リーガンが肉食の人々を脅かしてる、とかいう批判はいっぱいあるけど、リーガンの理論そのものを論理的に批判してる人って超少ないみたい。私にとってはシンガーの冷酷(?)な哲学のほうがリーガンの非現実的な哲学よりも筋が通ってると思うけどねえ。
カール コーヘン
この人は勇敢にも動物の権利は無い、と論理的に証明しようとしてる人。でも全然説得力無い。権利は、道徳を理解できる者だけに与えられるんだ、って言ってる。動物は道徳を理解できないから権利が無いんだって。だから動物を人間用の薬の実験台に使って苦しめても全然いいんだって。人間のほうが価値が高いから。でもさ、障害者とか精神病質者とか、全然道徳を理解できない人はどうなるの? 権利無いの? コーヘンは、そういう人達にも権利はある、と言う。なぜなら、人間だから。はぁ??? 大昔の哲学者みたいなすんごいドグマティズムだよね。もっとさー、説得力ある人いないのかなー?