ネーゲル 続き

第4章 客観的自己
今日は昨日紹介したネーゲルの本の第4章を読みました。日本語で! ウェブ上で日本語訳を見つけたのです。( http://homepage3.nifty.com/~nami/VN4.htm )英語でも日本語でも、どっちにしろ難しいんですけどね・・・、でも日本語のほうが気分的に楽です。

この章ではネーゲルはまずふたつの質問を提示する。
一つ目は、なぜ特定の人物が私であるのか、という問題で、二つ目はこれ↓

いかにして私は“単に”或る特定の人物であり得るのか? ここでの問題は、〈私があの人物ではなくこの人物だということがいかにして成立し得るのか〉ということではなく、〈いかにして私はそもそも世界の内で、或る特定の人物という特殊的(specific)なものであり得るのか〉ということである。

この問いは面白いですよね〜! これを最初読んだ時は、目からウロコが落ちたような気分でした。以前から漠然と疑問に思っていたことかもしれないけど、こうやって明確に言葉であらわされるとトキメキますよ。 わくわく。
でも、ネーゲルのこれらふたつの問いに対する考えを理解するのが難しくって。結局、いつものように、これらの問いに解答はまだ出ていない、って言ってんのかなあ。たぶんそれっぽい・・。ネーゲルの目的は、問題解決では無くて、問題提起みたいな気がする。。。おい、みんな、これを見ろよ、不思議だろ? おかしいだろ? まぁちょっと考えてみろよ? と言っているみたい。

第7章 自由
5、6章を飛ばしちゃっていいのかなぁ。7章は、責任や自由意志についてなので、形而上学では無くて倫理学みたいなんだけど・・形而上学のクラスで習ってるんだなあ。まぁそういう分野分けはどうでもいいかな。ネーゲルはこの本ではずっと客観的見地につきまとう問題について議論している様子。第3章は、客観的に考えると、自分なんていないみたいだよね?ってことを言っていて、第7章は、客観的に見ると、人々に自由意志や責任なんて無いみたいだよね? って言っている (と私は思う)。自由意志の問題は、おなじみだよね。もしDNAや環境や脳の中のケミカルやら何やらが私の行動を決めているのなら、私には自分の行動を選択するという自由が無い、選択の余地が無いのなら自分の行動に責任は無い、ってこと。現代科学を信じたら、自由や責任なんて無いように見える。ネーゲルは、自由意志はある、って信じているんだけど、でも、それがなぜなのか、はわからないみたい・・。ネーゲルはうちらの自由意志や責任の存在を守るために必死なんだけど。 私は、自由意志や責任なんて無いほうが楽なのになって思ってしまう。決定論が正しければ、何をやっても後悔しなくて済むし、責任感にさいなまれなくて良いし、かなりハッピーな気がする。でも、誰かに肉親を殺されてその人に責任を問わずにいられるか、となると困難だよね。やっぱり、人には自由意志や責任があると信じてしまうよね。なぜなのかわからないのに。あらら、自分の意見ばかり書いてしまった。
サマリーらしきメモ

  • Two Aspects of problem of free will P.113
    • autonomy
    • responsibility
  • "The alternatives are alternatives only relative to what we know" = there could be more choices beyond our knowledge, which are in a more complete, external view P.114
  • internal explanation (my reason for doing it = my intention) does not explain why one thing happend instead of the alternative, because the same can be said in the case of the alternative. P.116 ここでは、ネーゲルは、subjective intentionはsubjective reasonによって説明されないといけないと考えている。objective reason for my intentionっていうのは駄目。←これが今私には不明瞭
  • Judgement of responsibility involves two parties
    • judge (could be the same person as defendant)
    • defendant (the person who does the action)
  • to judge is to compare the act or motivation w/ alternatives from the defendant's point of view
  • "to be truly autonomous I have to be able to act in light of everything about myself - from outside myself and from outside the world"
  • the blind spot in "essentially incomplete objective view" = 自分自身のこと? P.127
  • objective will は不可能? P.129
  • objective affirmationは無理なので、objective Toleranceを目指せばいい ←これがわけわからない P.130
  • objective willがprudence、そしてvalueをうみ出す
  • ネーゲルは、カントに同意する: 道徳が自由を約束できるかもしれない P.135 ←でもさ、私には、カントってprudenceの奴隷になっていたように見える。ネーゲルがP.133 で警告しているような。
  • ホッブズの政治形態は道徳的な政治では無い P.136
  • カントの欠点 P.137
  • 結局、この主題に関する真実は見つかっていない